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【天理教葬儀】通夜の流れ/服装や作法、香典、玉串奉献などを解説

天理教の葬儀に馴染みの無い未信者さんや他宗の方々にもわかりやすいように、葬儀の流れや、服装、マナーなどを簡単に解説いたします。

この記事を読めばわかること
  • 天理教式葬儀の流れーみたまうつしと告別式
  • 天理教式葬儀の服装や香典のマナー
  • 玉串奉献の作法
相談員

葬儀会社のホームページで紹介されている「天理教の葬儀作法」は当教会資料を元に制作されています!

この記事の信用性
  • 天理教信者に祭儀作法を教えている人物が監修
  • 日本中の葬儀場で累計50回以上の天理教葬儀を斎官や葬儀委員として執行

※天理教式葬儀は教会、地方によって異なります

目次

天理教の葬儀の意味

天理教では、

人間の体は、神様からのかりものであり、心だけは自分のもの

と教えられていることから、世間とは、死に対する考え方が異なります。

天理教では、人の死を「出直でなおし」といいます。親神様おやがみさまからの「かりもの」である身体からだをお返しすることを指します。
出直しの語は元来、「最初からもう一度やり直すこと」を意味することからも察せられるように、死は再生の契機であり、それぞれのたましいに応じて、また新しい身体を借りてこの世に帰ってくる「生まれ替わり」のための出発点であることが含まれています。
前生ぜんしょうまでの“心の道”であるいんねんを刻んだ魂は、新しい身体を借りて蘇り、今生の心づかいによる変容を受け、「出直し」「生まれ替わり」を経て、また来生へと生まれ出ます。

天理教ホームページ「出直し・生まれ替わり」から引用

出直しについて詳しく知りたい方はこちら⇒出直しの教え――死の救い

天理教の[かしもの、かりもの]について学びたい方はこちら⇒かしもの・かりものを学びたいと思ったら最初に読む本 

天理教の葬儀の日程

天理教の葬儀は、世間同様、2日間で執り行われます。

世間では[お通夜]と呼ぶ初日の夜の儀式を、天理教ではみたまうつしと呼び、2日目の昼に執り行われる儀式を、告別式と呼んでいます。

【みたまうつし】葬儀の流れ(1日目)

みたまうつし

お通夜にあたる儀式です。
お借りしていた身体を、神様にお返し、魂(みたま)を、神様の元へお遷しする儀式です。

齊主さいしゅ斎員さいいん入場

齊主・斎員の入場です。
齊場後方から順に入場されます。頭を下げてください。

祓い詞はらいことば」奏上

諄辞じゅんじを開き始めたら)頭を下げてください。
諄辞じゅんじを読み終えたら)頭を上げてください。

大麻祓いおおぬさはらい行事

みたま、お供物、斎主、斎員と順に、大麻でお祓いをしていきます。
一番最後に参列者一同をお祓いします。
(祓い主が一同の前に来たら)頭を下げてください。

「うつしのことば」奏上

諄辞じゅんじを開き始めたら)頭を下げてください。
諄辞じゅんじを読み終えたら)頭を上げてください

「うつしの

みたまを、身体から、神様の元へ遷す儀式です。

(消灯したら)頭を下げてください。
(点灯したら)頭を上げてください。

献饌けんせん

みたま前に、お供物を供えます。

齊主 玉串奉献たまぐしほうけん並びに「しずめのことば」奏上

みたまを、霊璽れいじへ遷し代え鎮める儀式です。
齊主が、玉串奉献し、そのあとに諄辞じゅんじを奏上します。


諄辞じゅんじを開き始めたら)頭を下げてください。
諄辞じゅんじを読み終えたら)頭を上げてください。

齊員列拝れっぱい

斎員一同が、みたま前にて拝をします。

喪主 玉串奉献たまぐしほうけん

(玉串が齊場に準備されます)
喪主が、みたま前で玉串奉献します。

遺族 親族 玉串奉献たまぐしほうけん

親族から順番に玉串を奉献をします。
※アナウンスが入りますので、名前を呼ばれたら、玉串を受け取り、みたま前に玉串を奉献します。

3名程度で横並びで奉献することが多いです。
参列者数や葬儀場の取り決めにより異なります。

参列者 玉串奉献たまぐしほうけん

遺族 親族 玉串奉献と同様です。
一般参列者は、順番に玉串奉献を行います。

齊主・齊員 退手たいしゅ退場

参列者全員が玉串奉献を終了したら、斎官が退場します。
斎主・斎員が退場の際は頭を下げてください。

一般参列者は参列者玉串奉献時のみ個人で動きます。それ以外は他の方の動きに合わせておけば問題ございません。

【告別式】葬儀の流れ(2日目)

告別式

みたまを遷し終えた身体(亡骸なきがらとの最後のお別れの儀式になります。

基本的な流れはみたまうつし同様で、献饌(省略の時もあり)、亡骸との最後のお別れとなる告別詞しのびことばを奏上、玉串の奉献を行います。

齊官が退場後、葬儀場係員による出棺準備に入ります。
故人のお顔を見る最後の時間です。

ご親族以外は出棺で故人をお見送りしたら終了です。

【天理教式葬儀】香典や服装について

香典について

香典とは?

故人に対するお気持ちを表すもの。葬儀で奉献する玉串や献花の代わりとしてお渡しする現金を指します

天理教では、香典のことを玉串料と呼んでいます。

天理教の香典の相場

金額は決まっていません。

天理教は、人同士の繋がりが多く、葬儀に参列する機会も多いので、薩隅分教会としては、一律10,000円とさせていただいております。

※親族や、特にお世話になったに対してはその限りではございません

香典の入れ方について

不祝儀袋に包んでください。※不祝儀袋とは、葬儀のお悔み・弔事の際に現金を包む水引きのついた袋です。
色は、世間同様、黒白や双銀をお勧めします。
また、持参する際は、ふくさに包んでおくことがマナーとなっています。
基本的には世間一般と変わりません。

不祝儀袋の書き方

鉛筆やボールペンではなく筆や筆ペンで書いて下さい。

  • 玉串料
  • 御玉串料
  • 御供
  • 御榊料
  • 御霊前

書き方に決まりはございませんが天理教では上の名目が多いです。

特にこだわりが無ければ不祝儀袋の上部に「御玉串料」、下部にはご自身のお名前を記入していただければ結構です。

ちなみに不祝儀袋の色は、葬儀では黒白、年祭は黄白を使用することが多いです。

※京都は土地柄、葬儀でも黃白を使用する方もいます

【天理教式葬儀】服装について

喪服

天理教信者は、着物やハッピという着衣で参列する方もいますが、基本的には喪服で結構です。
男性は喪服に黒ネクタイ、黒の靴下、革靴が基本です。

女性も世間同様、喪服です。天理教に限らず、着飾りすぎると周囲に不快感を与える可能性がございます。

数珠

天理教の葬儀に数珠は必要ございません。

天理教葬儀の作法

低頭動作

葬儀中、頭を下げる機会が数回あります。

  • 斎主・斎員の入退場時
  • 祓い行事
  • 諄辞奏上時

周りに合わせて、軽く頭をお下げください。

玉串奉献の拝

前方の亡骸や遺影前に玉串を奉献する儀式です。

玉串のイメージです↑

二拝・四拍手・拝・四拍手・一拝

二拝:拝は、1回が基本ですが、神様や故人の直前では二拝します。
四拍手:控えめに4回、拍手します
礼:みたまや亡骸に、生前の感謝の気持ちを伝えます
四拍手:控えめに4回、拍手します
一拝をして終了です

四拍手はしのび手ではありませんので、音を出して結構です。
※しのび手とは、神式葬儀における礼拝の際、音を立てずに拍手すること

玉串奉献の流れ

玉串奉献の動作を一言でお伝えすると

神前に玉串を奉献し、故人に対し拝をする

という事です。

一連の流れを記載します。

  • 齊員が玉串を入れた箱を準備
  • 玉串奉献のアナウンス
  • 喪主から順番に玉串を奉献
  • 親族がそれに続く
  1. 自分の番が来れば玉串を持つ斎員前へ
  2. 齊員に向かって一拝
  3. 玉串を受け取る
  4. 左側に葉が来るように渡されるので左手(手のひらは上)を気持ち上にし、右手(手のひらは下)で茎を持つ
  5. 斎員に一拝
  6. 神前へ
  7. 神前前で一拝
  8. 玉串を神前に置きます。この時、神前に茎、葉を手前にして供えます。(この時に、玉串を時計回りに回転させますが、できそうにない方はそのまま置いて下さい)
  9. (一緒に行った方々と揃って)二拝・四拍手・拝・四拍手・一拝
  10. 下がって複席

みたまうつしと告別式、親族の場合は、告別式後の葬後霊祭の3回行う

玉串奉献の仕方

次の【玉串奉献の仕方】動画で一通りの流れが理解できます。ただし、拍手の回数など一部が天理教式と異なっていますので、参考程度でお願いします。

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